ステンレス不動態化処理
防衛省規格で、米国軍用規格を直接受け継いでいる規格みたいな
ことが書類に書いてあり、前処理から部品表面にオイル、グリース、錆、スケール、その他の
異物がなくみたいなことが事細かく書いております。
そして、不動態化には2種類有り、タイプ1 タイプ2 があります。
弊社はタイプ2で処理しており、タイプ2はクロメート処理までやらないといけないんです。
最近の米軍軍用規格を見るとタイプ1取り消しと書いております。
つまりタイプ2で処理しないといけないんです。
タイプ1はクローメート処理は無いのでタイプ2に比べて楽なのですが、タイプ2は不動態化処理後にニクロム酸ナトリウムに30分浸漬
しないといけません。
亜鉛のクローメート処理は10秒ぐらいですから手間がかかるのは不動態化なんです。
しかも不動態化処理をしても見た目が全然変わらないのでお客さんからしたら何でメッキと同じぐらい
高いんと思われがちですが、メッキより面倒なんです。
メッキより面倒ですが、金額的には亜鉛メッキと同じです。
工程も亜鉛メッキとほとんど変わりません。
ただ時間がかかります。
しかも最近仕事があればあるほど管理状況はどうかとか検査表がいるとか工業技術センターでの試験結果の書類がいるとか
やたら厳しくなっています。
管理状況まで突っ込まれたらややこしいので、弊社はその都度新液で処理しています。
そしてこちらがニクロム酸ナトリウムです。
なんか毒性強そうでしょ?
オレンジ色のものはだいたい猛毒ですよね。
つまり見た目は変わりませんが、これを利用することによってステンレスは最強に
錆びなくなっていると思います。
クロメート前の不動態化処理工程ではニクロム酸ナトリウムに硝酸が入りますので
めちゃくちゃ強烈な液にステンレスを浸漬しています。
ここまでやってるんだから見た目変われやと思うのですが、変わりません(笑)
でも試験をやればその効果は一目瞭然!
工業技術センターの試験料金は高いですが、信頼性は抜群です。
何かあればご相談ください。
おわり